もぐらのベースメント・ノート

ギター、音楽、その他

Sweetheart of the Rodeo (The Byrds)

それこそ20年くらい前に買ったアルバムだが、なぜかハマらず時が経ってしまった。

1曲目「You ain't goin' nowhere」なんかディランのバージョンより好きだし、カントリーロックのアルバムとくればハマるはずなのだが…

今回、ロイド・グリーンのペダルスチール目当てで聴き込んでみると、ようやく良さが分かってきた。

「You ain't goin' nowhere」のイントロってロイド・グリーンのペダルスチールだったんだな…

これまで、なんとなくクラレンス・ホワイトがストリング・ベンダーを使って弾いているのかと思ってた。

気付けばSho-Budのロイド・グリーン・モデルを買ってた。

M.Shiozaki 15 D-1(2014年製)

M.Shiozaki 15 D-1(2014年製)

完全ワンオフのギター。

自分が知る限りこのギターは1本しか作られていないはずだ。

愛媛のルシアー塩崎雅亮氏のギターで、Martin D-18のレプリカようだが、30/32サイズに縮小しており、ボディ幅や厚み、スケール、サウンドホール、ブレイシング、ブリッジやブリッジプレートなどなど、すべて30/32にサイズダウンしている。

モデル名のD-1はD-18タイプ、その前の15は(15/16=30/32)という意味だ。

工房で実際に話を伺ったことがあるが、コンビニのコピー機で図面を縮小コピーして作ったのだそうだ。

Martin Size7(スケールは29/32、ボディサイズは28/32)だと小さ過ぎるということで、30/32と31/32のD-1が一本ずつ作られた。

当時、ドルフィンギター恵比寿店に2本とも置いてあり、実際に31/32も弾いたことがあるが、これなら000を弾けばよかろうと思った。

ちなみに、サウンドホールの大きさはドレッドノートの31/32が000、30/32が00、29/32が0となっているそうだ。

つまり、このギターのサウンドホールの大きさは00と同じになっている。

トップ:エゾ松

サイド&バック:ホンデュラスマホガニー

指板&ブリッジ:エボニー

ネック:マホガニー(Tバーロッド)

ナット幅:42mm

スケール:605mm

1936年製D-18をベースに製作しており、接着剤にニカワを使用している。

15/16サイズのギターでこのギター以外に存在するのは小倉博和氏の15/16のD-45タイプである。

そもそも、この15/16というサイズは小倉博和氏の要望で作られたものだそうだ。

2015年に出たアコースティック・ギターマガジン 64号の52ページにそのギターの写真と説明がある。

細いネックのギター

指が短く、ナット幅43mm以上のギターを弾くのがキツいという場合、ナット幅40mm以下の細いネックのギターを弾くという選択肢もあると思う。

ギブソンは1965年後半あたりから数年間、ナット幅39mmの細いネックを採用していた。

自分も20年以上前に1968年製のB-15を手に入れ、そのネックの細さに驚いた。

指の短い自分でもグリップバンドが使えるので、かなり弾きやすかった。

Gibson B-15 1968年製 ナット幅39mm

Gibson B-15 1968年製

次に、K.Yairiにナット幅37mmの000-28タイプをセミオーダーで作ってもらうが、37mmはさすがにやり過ぎで、音もイマイチだった。

K.Yairi 000-28 ナット幅37mm

諦めきれず、今度はシーガル弦楽器工房の塩崎さんにナット幅40mmのOM-18タイプを作ってもらう。

これは本当に弾きやすく音も良かった。

ただ、やはりカポを付けないとロングスケールなので遠い…若干弾きづらい。

Seagull OM-50 ナット幅40mm

今はどのギターも手放してしまった。

結局、自分にとって一番しっくりくるのはショートスケール・ギターだった。

(左)M.Shiozaki 15 D-1 2014年製 (右)Seagull OM-50 2008年製



テルツギター、レキント・アルトギター

Martin 5-18などのSize5(545mm)はテルツギターと呼ばれている。

テルツギターはスタンダード・チューニングでも弾くことができるが、「カポ3と同じ音」でチューニングする。

その時、テンションがきつ過ぎるので、エクストラ・ライトゲージを使った方が良い。

自分はSilk&Steel弦が一番しっくりきた。

Martin 5-18 (左)1980年製(右)1950年製

ジョン・レノンやジョン・フォガティの使用で有名なRickenbacker 325(525mmほど)もテルツギターといえるだろう。

ジョン・レノンの場合は太いフラットワウンド弦を張ってレギュラーチューニングで使用していた。

Rickenbacker 320(1975年製)

このあたりのスケールだと、ナイロン弦の場合はレキントギターもしくはアルトギターという。

同じギターでも、「カポ5と同じ音」にチューニングしたらレキント、「カポ7と同じ音」にチューニングしたらアルトというらしい。

レキント・アルトギターは、ネックもかなり太く、クラシック・ギター特有のネックのセット角のせいで、弦高4mm以下にするのは無理がある。

かなり弾きにくい。

Gibson L-00 3/4(1938年製)

1938年から1939年の2年間でわずか35本しか生産されていないそうだ。

戦前にギブソンがこのようなミニギターを作っていたことに驚く。

ただ、正式なモデル名などはなく、L-00 3/4というのも一般にそう言われているから、そのように表記しているだけだ。

 

トップ:アディロンダック・スプルース

サイド&バック:マホガニー

指板&ブリッジ:ハカランダ

ネック:マホガニー

ナット幅:39mm

スケール:578mm

オリジナルの3連ペグはガタがきて、GOTOHのペグに交換した。

ネックはVネックでかなり弾きやすい。

ギブソンのミニギターとして有名なLG-2 3/4(1949年〜)はラダーブレイシングだが、L-00 3/4はXブレイシングである。ノンスキャロップドのなんともいい加減なブレイシングだ。

適当な作りに見えて、ネックアングルやその他は良いコンディションなのがギブソンの凄いところだ。そして、戦前のギブソンらしくとんでもなく鳴る。1937年製のL-00をもっていたこともあるが、そのギターも尋常じゃない鳴り方だった。音の好き嫌いは置いといて、戦前のギブソンより鳴るギターは無いと思う。

L-00 3/4のボディ形状は1920年代から存在していたテナーギター(Gibson TG)と同じなので、そこからもってきたものなのだろう。

また、後のCollings Babyは、L-00 3/4の大きさや形を参考にしたのでは?と思えるほど似ている。

(左)Collings Baby 2H (右)Gibson L-00 3/4

 

That's Why God Made The Radio (The Beach Boys)

11年前(2012年)のアルバム。

期待してなかったので、聴いたのは発売から1ヵ月以上経ってからのことだった。

それがとんでもなかった。ビーチ・ボーイズのアルバムの中では、5本の指に入るほど好きなアルバムだ。

特に前半の6曲が好きで、結婚式のBGMにも使った。

23年ぶりのアルバムにも関わらず、あまりの素晴らしい出来に驚いた。

そして、このアルバム発売に合わせた33年ぶりの来日公演。

日程面で行くべきかどうか迷っていたのだが、そんな迷いもこのアルバムを聴いて吹っ飛んでしまった。

8/14には来日して、東北の復興支援のコンサートということで、NHKの6時の全国ニュースにも取り上げられていた。

自分は、8/17の大阪(大阪市中央体育館)のライブを見に行った。

メンバーは、ブライアン・ウィルソンマイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンだったが、数多くのサポートメンバーがいて大所帯のバンドだった。

席は前から2列目の右端の方で、ちょうどブルース・ジョンストンの前あたりだった。

7時過ぎから前座の「アメリカ」のライブが始まり、8時半から、ようやくビーチ・ボーイズのライブが始まった。

ニューアルバムからは「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~」と「今がその時」の2曲しかやらなかったのが残念だった。

ライブが終わって、ブルース・ジョンストンがタオルを客席に向かって投げたのだが届かず、しばらくそのままになっていた。恥を忍んで取りに行けばよかったと今でも後悔している。

ショートスケール・ギターのすすめ④

スケール610mm以下のショートスケール・ギターを以下の表にまとめた。

けっこう種類はあるが、ヴィンテージでしかお目にかかれないものもある。

ルシアーもの、オール合板のものや中華製の廉価モデルはここでは取り上げない。

    スケール ナット幅 備考
Collings Baby 610mm 43mm  
Epiphone E452T 3/4 578mm 39mm

ギブソンメイド

ES-140T 3/4と同じ

Fender Musicmaster
Duo-Sonic
572mm 38.5~
41mm
廉価版リイシュー有
Jaguar 610mm 41mm リイシュー有
Mustang 610mm 41mm リイシュー有
Gibson L-00 3/4 578mm 39mm Xブレイシング
LG-2 3/4 578mm 39mm

リイシュー有

ラダーブレイシング

ES-140 3/4 578mm 39mm フルアコ(1PU)
ES-140T 3/4 578mm 39mm

フルアコ(1PU)

シンライン

ES-125 3/4 578mm 39mm

フルアコ(1PU)

シンライン

Les Paul Junior 3/4 578mm 39mm

シングルorダブル

カッタウェイ

Melody Maker 3/4 578mm 39mm

シングルorダブル

カッタウェイ

Gretsch 6115 584mm 43mm

フルアコ(1PU)

シンライン
前期はフローレンタイン

後期はベネチア

カッタウェイ

Guild M-65 3/4 578mm 40mm フルアコ(1PU)、シンライン
Headway HB 610mm 43mm Collings Babyと同じサイズ感
HT 610mm 43mm  
Kalamazoo KG 3/4 578mm 39mm

ギブソンメイド

ラダーブレイシング

K.Yairi NY 610mm 44mm 12フレットジョイント
YFP 597mm 42mm  
Larrivee Parlor 610mm 44.5mm 12フレットジョイント
Lowden WL 610mm 45mm  
Martin 7-28 584mm 41mm Martin Size7は現在も限定で生産されることがある。
7-37K 584mm 41mm
National  Model 1133 559mm  

ソリッドボディ

リゾネイター

Santa Cruz Fire Fly 610mm 43mm  
Supro 1507 559mm   ソリッドボディ
Taylor GS Mini 597mm 43mm メキシコ製
GT  613mm  43.5mm 15インチボディ